愛するペットに遺産相続させたい!方法を教えて!

相続8

ペットを家族と捉える人が多くなっている今、自分の死後に生き続けるペットの生活を心配するケースも少なくはありません。自分の遺産を人ではないペットに相続させる法律はまだ日本にはありませんが、飼い主の死後もペットが快適に暮らしていくためにできることがあると知っておきましょう。

ここでは、遺産相続ではない方法でペットに財産を遺す方法を紹介します。

ペットには遺産相続できない

海外ではペットへの遺産相続が認められているケースがありますが、日本では動物に遺産相続を認める法律がありません。ペットは法律で物だと定義されている上に、人に限って相続人となれる日本ではペットへ遺産相続するのは不可能です。

例え遺言書を作成していたとしても適用される法律がありませんし、飼い主の死後にペットが生きていくためのお金を貯金していたとしても、財産として相続人の手に渡ってしまいます。このため、どうしてもペットに財産を遺したいのなら対策を取る必要があるのです。

遺されたペットの世話は誰がする

遺されたペットのことを思い、飼い主の多くが親族や友人などに世話を頼みます。しかし、自分の死後に預けたペットが本当に幸せになれるのか、きちんと世話をしてくれるのかと不安に思うケースも少なくはありません。実際に飼い主の死後、遺されたペットが保健所で殺処分を受ける場合もあるのです。

信頼できる人にペットの世話を頼むと言うのは基本的ですが、口約束のみでは不安が残るでしょう。このため、ペットを預ける人に対しては事務委任契約を締結するべきと言えます。飼い主がペットの飼育を信頼できる他の人物に委託すると言う契約が書面でされるのです。

契約内容には、受託者となる人物がペットの飼育に誠意を持って生涯取り組まなければならないと盛り込みましょう。その上で、飼育に必要なお金を含む報酬を支払うことになります。生前に事務委任契約を結べば法律で認められるので、お金だけもらってペットを捨ててしまうなどの行為はできなくなるでしょう。

事務委任契約は弁護士事務所などで専門家に相談して行います。

財産をあげるからペットを大事にして

ペットの面倒をみてくれる人に対して遺産相続や財産分与をする手段があります。負担付遺贈と呼ばれる民法が適用されますが、遺言は一方的なものと捉えられるため相手に拒否されてしまうと、財産はいらないし、ペットの面倒もみないなどの状況になりかねません。

まずは遺産を遺す相手に対して、ペットの面倒をみれるかを確認するのが大切なポイントです。その上で遺言書の作成を行いましょう。遺言書には、どのようにペットの世話をして欲しいかを細かく記載します。食事の仕方や回数、散歩についてや飼育環境に必要なものなどです。

特に持病や予防接種についてなど、健康に大きく関わることは具体的に伝えられるようにしてください。要望をはっきり遺しておけば受遺者も途惑わずに飼育をスタートさせられるでしょう。とは言っても、受遺者によって本当に手厚いペットの飼育がされるかは保証されません。

このため、見張り役を用意しておくのが大切になります。遺言執行者の指定を行い遺言に記載させておきましょう。ペットの飼育を遺言通りに行っているかを遺言執行者がチェックするようにしておけば、受遺者が財産だけを受け取ることはできなくなります。

より具体的に飼育の内容を指定する

生前に負担付死因贈与と言う契約を行うこともできます。負担付死因贈与も負担付遺贈と同様に、飼い主の死後にペットの面倒を見てくれる人物へ遺産を贈与するものですが、委託者が死亡してはじめて効力が生まれるのと、受贈者が一方的に契約を破棄できないと言うのが異なる部分です。

また、負担付死因贈与は今後受贈者となる人物との契約を締結するものですので、互いに納得できるまで話し合えます。ペットの飼育で必ずして欲しいことが、受贈者には無理だと言う場合もあるでしょう。ペットの飼育に関しては飼育する人によって考えやスタイルも違う場合も多いです。

財産を贈与するからと言って無理を押しつけても、受贈者の負担になってしまえばペットが幸福でいられるかは分かりません。どうせなら受贈者に大切なペットを可愛がって欲しいと考える人が多いでしょう。負担付死因贈与は互いに合意をして成り立ちます。

飼い主は自分の死後に受贈者がどのようにペットを飼育してくれるのかより具体的にイメージできる上で、受贈者の承諾が得られるのです。このため、遺言書によって一方的な要望を伝えるよりも確実性が高いです。しかし、負担付死因贈与であってもペットの面倒を契約通りにみて貰えないと言うリスクは消えません。

負担付遺贈と同様に執行者を指定して、受贈者が契約通りにペットの世話を行っているかをチェックできる状態にしておくのを忘れないようにしてください。

遺産相続ではない方法でペットに財産を遺す

遺産をペットに直接遺したいと考える人には、信託制度の利用が向いているかもしれません。ペットに財産を活用するために、信託銀行等へ遺産を譲渡して財産管理や運用をして貰う方法です。信託制度の利用により指定した信託目的に沿って定期的な金額が指定された人物に支払われます。

この場合、飼い主の死後にペットの世話に必要なお金が、新たにペットの世話をしてくれる人物に支払われることになります。ペットは動物ですので当然ながらペット名義で銀行口座等は作れません。このため、直接ペットへ財産は遺せませんが、受益者がペットの世話にかかる金額や報酬をまとめて受け取るのではなく定期的に受け取るために、ペットの世話を遺言書通りに行う確率が高くなると言えます。

受益者がペットの飼育を放棄したり適切ではない方法で行っていたりした場合に備えて、信託監督人を指定しておくのも良い方法です。信託監督人には、動物愛護団体などを指定するのも可能ですので、より信頼感が持てるでしょう。

監視を強めてペットの世話をして欲しい飼い主には向いていると言えます。遺産相続とは異なりますが、信託制度を利用するメリットは問題が起きにくい点でしょう。

信頼できる人にペットを預けられない場合は

ペットに財産をできるだけ遺したいと考えるのも大切ですが、親族や友人にペットの世話を頼めない場合は、ペットの飼育環境を確保するのが最優先でしょう。飼い主の死後に行き場のないペットを一時的に預かり、新たな飼い主を探している団体や動物病院などを生前からチェックしておくのもひとつの手段です。

ペットのために何ができるかを考えて生前から対策をしておきましょう。